舞台『タイムトラブルバルコニー』観劇してきました。滅茶苦茶面白かったです。感想
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拝啓 DVDが届くのを待つと記事を作るのに最低三か月空いちゃう問題
先日、忍ミュにご出演している反橋宗一郎さんがご出演している舞台
【タイムトラブルバルコニー】を観劇してきました!
タイトルの文字色信号機みたいですね
舞台自体は千秋楽を迎えておりますが、DVD販売はまだなのでネタバレは後半に詰め込みます。
ネタバレが嫌な方は前半部分のみ読んでください!
あらすじ
郊外に佇む3階建ての小さなマンション、「コンフォート安楽」。
ここの住人たちは互いの顔も知らないが、日曜日の夜19時にベランダに出てきて
恋バナや仕事の愚痴などのとりとめのない話をするのを楽しみにしていた。
しかしある時、なんと彼らは5年ずつずれた時間を生きていることが発覚する!
過去や未来を変える力を手に入れた彼らは、
偏屈で厄介な大家さんの性格を変えようと試みるのだが…。
バルコニーを舞台に展開されていく、ちょいSF系ハートウォーミングコメディ!!
★ キャストさん/役名(作中で使われるあだ名) 敬称略
- 永田聖一朗 マル
- 校條拳太朗 メガネ
- 反橋宗一郎 テル
- 畠山遼 兄
- 太田将熙 弟
- 青木空夢 ブラックさん
- 増田裕生 ボブ
- 髙木俊 コーダイ
- 平牧仁 ショーちゃん
- 石倉良信 安楽さん
★感想(ネタバレ無し)
正直言って、この舞台ネタバレ無しで書こうとすると難しいです。
それぐらい内容が詰め込まれていて、伏線がうまく回収されている舞台でした。
タイトルからわかるように、タイムトラベル=未来と過去を取り扱った作品なのですが、ただ過去と未来を扱った作品ではないです。
すっごい考えられた内容でしたし、タイムトラブルバルコニーというタイトルもネタバレじゃないけれど、観劇後なるほどな!と納得できる絶妙なタイトルになっています。
何より一番度肝を抜かれたのは、役者さんたちの演技でした。
私が観劇した舞台の中でも最も一人一人の動きが制限されるなか、その時の心情をリアルに客席に伝えてくるんですね。小舞台でももうちょっと自由に動ける気がします。話の内容的にね。
演出もさることながら、特にマル、テル、安楽さんの台詞量が凄まじく圧倒されました。
マルなんか序盤、中盤、終盤での感情の動きもすごかったです。忙しや
舞台俳優ってある意味『声優』でもあるんだ……と改めて認識しました。
目を閉じて聞いているだけでも楽しめる舞台です。
何より、演じるという点でいえば安楽さんが一番大変でしたね(笑)
まだみてないよ~という方は、DVD販売もしているので是非買ってください。
好きな役者さんがいるな~って方も、それぐらい役者の凄さを見せつけられた作品です。
↑こちらで通販販売しています
さて!こっからは全開でお話ししようと思います!
★感想(ネタバレあり)
タイムトラベルと上の感想では言いましたが正式にはバタフライエフェクトをメインに扱ったお話です。
パラレルワールドとも少し違う気がしたんですよね。
過去に存在する人物(ショーちゃん、兄、弟、テル、ボブなど)が未来に存在する人(マル、メガネ)から話を聞いて過去の今を書き換えることで、あったはずの未来が消えていて、そのことを覚えているのは書き換えた本人だけ、というのを踏まえると複数ある世界線から選んだわけではなく、わずかな行動が自分以外の全てに影響を与えている。
こういうのって説明が無茶苦茶難しいんですが、舞台を見た感想でいうのであればバタフライエフェクトによって物語は展開していく、というのが私は一番しっくりきました。
似たようなゲームでLife Is Strange(ライフイズストレンジ)があります。
感動待ったなしのゲームなので是非プレイしてください
バタフライエフェクトとは?
力学系の状態にわずかな変化を与えると、そのわずかな変化が無かった場合とは、その後の系の状態が大きく異なってしまうという現象。
蝶の羽ばたき一つで未来は変わる。という現象からSF系のお話ではよく出てきますね(正確には違うので気になった方はWikipedia)
物語はそれぞれのバルコニーが五年ずつズレていて、毎週日曜の19時~19時30分の間だけ声のみ通じ合う、ということに気づいたところから展開していきます。
一番過去で1995年のショーちゃん、一番未来で2030年のブラックさんです。
35年の時差って無茶苦茶すごいですよね。どんなことだってできてしまう。
ここで2030年に生きるブラックさんは終盤までこのタイムトラベルを信じていませんでした。そりゃ声だけで確認しようがないですから、仕方がないですが一番未来に生きている人物がタイムトラベルを信じないってなんというか皮肉感たっぷりですよね。
それこそ、昔は神隠しやら生贄やらが信じられていたことに似てる気がします。昔のほうが思考の選択肢の幅が広かったんですかね。
大家であり、ある意味監視異常者の安楽さんを優しい人に変えよう!ってことでみんなで意見を出し合い、ショーちゃん、兄弟、テル、ボブ、コーダイがそれぞれ動きます。
もちろん変えた本人以外は会話は覚えていますが、安楽さんという人物像はその都度書き換えられていきます。
この時の安楽さんの演技力がすごい…。出てくるたびに年齢も性格も少しずづズレていて本当に書き換えられているのかと思いました!
まぁ、それだけ事実を書き換えていけばどこかしらにツケが回ってくるのですが、その回ってきた人物が2020年に生きるマルです。
本来死ぬはずじゃなかったマルに死の運命が回ってきます。
しかも残された時間は一か月ぐらい。
これにより、いい安楽さんを再びもとに戻そうと画策します。
しかし運命を変えるごとに時間が減っていき最終的にマルを救えたかどうか不明なままバルコニーは普通の場所に戻ってしまいます。
私が何より感動したのはこの終盤の流れと、終わりでした。
今までずっと過去の人たちが運命を変えて安楽さんに影響を与えてきました。
これは一度起きた出来事を変化させています。
最後はついにマルの死を回避するのですが、マルが死んだ事実を変えるのではなく(元々はマルに死の運命はないのでマルは死んでいないと捉えます)
過去に生きる人たちが直接マルを救うために動いたんです。
1995年に生きるショーちゃんからしたら25年後
2000年に生きる兄弟からしたら20年後
2005年に生きるテルからしたら15年後
2010年に生きるボブからしたら10年後
2015年に生きるコーダイからしたら5年後です。
自分たちの未来だって定かじゃないのに、25年後のその日に死ぬマルを救うためにバルコニーの住民が直接その場に赴いてマルを助けるのです。
10年後だって、大人が子供になるだけの年月なのに……!!
過去を変えることでマルを助けるのではなく、2020年その場に赴いて助けるって展開はなかなかないですよ。
タイムトラベル物は結局、タイムトラベルの間で物語が完結するものが多いのに……!
いや~正直この展開で全部持っていかれた感はありました。そういう友情大好き。最高
とはいえ、ここまでの流れも一つ一つに意味があって、それでいて分かりやすい作品でした。
ついでに安楽さんを変えるくだりのなかで、テルが安楽さんに猫の写真を見せるくだりがあるのですが、そこのテルの演技と安楽さんの猫に陥落した演技がくっそ好きです。
さて、だらだら書いてしまいましたが。
物語の展開も役者さんの演技も、舞台セットも斬新で本当に驚かされる舞台でした。
是非気になった方は公式ページ開いて、グッズの所開いて、通販ページいってDVD買ってみてください笑
敬具